カミングアウト 体験談 連載

自分を肯定できるようになったまで(留学前編)

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撮影者: Leon

これまで中高大とセクマイにフレンドリーな人と出会ってきた話をしてきた。
もちろん私の知人友達の中では理解がない人もいるし、理解がありそうでも何となくカミングアウトをしていない人もいる。
逆に、そこまで仲が深くないのに何となく打ち明けてみたりもする。

私流のカミングアウトのコツは、「知りあった人がたまたまセクマイって聞いたんだけど(別に知らなくても良い)、周りにゲイの人とか、いる?」と、カミングアウトしたい相手に軽いテンションでセクマイの知り合いがいるか聞いて反応をみることである。
もしいなくても、相手があなたの話をちゃんと普段聞いてくれてるなら、セクマイであることを察されているパターンもあるし(私は今まで15人くらいに打ち明けて5人にはバレていた)
改めて理解してくれるパターンも大アリ。

私は海外の大学で勉強し始めた。そこはとてもリベラルな環境で、ゲイカップルが手を繋いで歩いていたり、レインボーフラッグを掲げる店をたまに目にしたり、誰もが思い思いに自己表現をしたファッションをしているような街だった。
大学にはLGBTセンターがあり、クィア映画を流していたりメンターといつでも話ができたり、セクマイにとって常設の居場所があった。
週一でテーマトークの時間を設けていて私もそこに参加するようになったが、現地学生ほど自分のセクシャリティを表立って表現できず、社会的な活動を通してのアウティングにビビって行かなくなってしまった。また私には同性婚が認められた社会でこれ以上何を目的として活動しているのか理解が及ばなかったこともある。
みんなが良い意味で自由な社会だ。

そこで私の隣の部屋に越して来たのが日本人の、また自由な性格の女の人だった。
彼女が私に世話を焼かせるので、私の生活はいつの間にか彼女を中心に回るようになった。
学校帰りに美味しいものを食べて一緒に買い物をして、料理を作ってあげて(パスタを作るたびに元バイト先の先輩たちのことを想った)隣で勉強して、夜になって手を繋いでビーチに散歩して、夢のような日々が続いた。
彼女がいつかゲイカップルを見て「あ〜右側イケメン〜付き合いたい〜でもイケメンが男を好きになってもいい世の中だよね〜」と彼女らしいことを言ったのをきっかけに、私が女の人を好きになったことを軽く話した。そういうこともあるんじゃない?と軽く返され、思いを伝えるのも時間の問題だった。

しかし、彼女が私を避けるようになった。

「あのね、あなたの気持ちが重い。」

彼女にとってはセクマイに偏見は無くとも、
自分が女と付き合う当事者になるのは、受け入れがたいことだったのだ。

顔を合わさない日が続き、彼女の帰国日が迫った。私は無言のすれ違いざまに意を決して言った。
「私の気持ちばっかりで、ごめん」

好きだった、とは言わなかったし彼女が私をいつも求めていたことを責めもしなかった。
私はただ、彼女に嫌われてしまうのが怖かった。彼女とは帰国後に一回会ってそれきりだ。でもまた好きにならなくて良かったのだと思う。
そんな短い恋だった。
こうして虚無感を感じていた私に、次の恋がすぐ訪れた。

About the author

Leon

Leon

大学で政治学を勉強しています。
留学を経てセクシュアルマイノリティとしての自分を受け入れられるようになりました。私の記事を通して自分のセクシュアリティに気づくきっかけや、セクシュアルマイノリティの中の1人の考えに触れてみる機会を提供できたら幸いです。

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