性別違和 資料・情報

女性ホルモン注射で変わること、変わらないこと

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撮影者: オータ

性同一性障害(GID)の治療の一環として、私は女性ホルモンの注射を受けています。
値段は約2,000円で、2週間に1回のペースで通っています。他の病院もインターネットで調べてみたところ、一回2,000~3,000円ぐらいが相場のようです。今通っている病院は、GIDの診断を受けた病院で紹介してもらいましたが、ネット上でも「性同一性障害 ホルモン注射 病院」などで検索すると都市部を中心にヒットします。ホルモン剤は筋肉に注射すると聞いていたのでかなり痛いのではないかと心配していましたが、通常の注射(皮下注射)より少し痛いぐらいでした。もっとも感じ方には個人差があるので何とも言えませんが。

ホルモン注射の効果を、医師の説明と参考書籍を基にまとめると以下のようになります。
・変わること
乳房の増大、皮脂が少なくなる、皮膚のきめが細やかになるなど艶の変化、骨盤の周囲に体脂肪が増大するなど女性形への体形の変化。ひげ、体毛の減少。頭髪の増加。筋肉の減少など。

・副作用
血が固まりやすくなるので血栓症の危険性があると聞いています。注意すべき合併症として、心不全、心筋梗塞、脳梗塞を挙げている文献もありました。性別違和感のある人にとって副作用と言えるかは分かりませんが、男性機能が低下し、子どもを残せなくなります。
ネット上で散見される、抑うつ的な気分になりやすくなるというのは、研究者の中でも意見が分かれているようです。

・変わらない事
不可逆的なことは変わりません。骨格(肩幅、手や足の大きさ、身長)、声など。

実際の経験した流れとしては、初診時に、今までにかかったことのある大きな病気やGIDの診断の有無、異性装経験の有無を尋ねられ、その後ホルモン注射の効果と副作用についての説明を受けました。治療の開始に際しては、説明を受けた上で注射を受けることを承諾する旨の同意書に署名しました。今かかっている病院では、たとえ診断がなくても注射はしてくれるらしく、本当にホルモン注射を受けたいのか確かめるために質問項目が設けられているようです。

この原稿を執筆している現在、ホルモン注射を受け始めてから7か月経ちます。外から見てわかるような変化は特にありませんが、自分では表情に柔らかさが出てきたと思っています。胸は少し出てきた程度です。かなり張っているので物が当たると痛みを感じます。また、皮膚のきめは間違いなく細かくなったし、ひげや体毛は伸びるのが遅くなったと感じます。体力テストをしたわけではないので分からないものの、以前よりも体力が落ちたことが金銭的負担を除けば唯一感じるデメリットです。

女性ホルモンを打っても変わらない事は変わらず、副作用もあり、安易な気持ちでは手を出せないのは言うまでもないですが、私自身はホルモン注射を選択してよかったと確信しています。完璧な女性になれないけれども近づけるし、何よりこれ以上男性化が進まないことが精神的な安寧をもたらしています。副作用は心配ではないとまでは言えませんが、ホルモン注射を受けようが受けまいが、いずれ人間は死ぬので、それなら少しでも自分の望む性別に近づきたいです。思うほどの効果が出ていないという焦りもありますが、そういう意味では納得して治療を進めています。

<参考>
『性同一性障害って何? : 一人一人の性のありようを大切にするために / 野宮亜紀 ほか 著』

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momiji

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トランスジェンダー(MtF)の大学1年生。都会に憧れて上京。
毎日試行錯誤の連続です。

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